ペットシッターのマッチングサービスの規約

マッチングでも、第一種動物取扱業の登録が必要なのは誰かを最初に整理します。運営者が約束することと、約束しないことを分けて書きます。

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シッターのプロフィールページは広告に当たる可能性が高く、登録番号などの表示が求められます。

このページの要点

  • 飼い主と直接契約するシッターは、本人の登録が必要と考えるのが自然。運営者の登録の要否は運営の形で変わる。
  • プロフィールに登録の内容を表示する欄を必須にし、表示がなければ掲載しない。
  • 登録の審査の手落ちや危険な情報の不伝達があれば、運営者の責任も問題になり得る。
  • サイトの外での直接取引の禁止は、手数料に対応する額で、もともとの顧客を除いて定める。

マッチングでも、登録が必要なのは誰かを最初に決める

ペットシッターと飼い主をつなぐマッチングサービスを始めるとき、最初に整理するのは「第一種動物取扱業の登録が必要なのは誰か」です。飼い主と直接契約し、自ら料金を受け取って世話をするシッターは、独立して保管の業を営む者に当たるので、シッター本人の登録が必要と考えるのが自然です。一方、運営者が動物を扱わず、場を提供するだけなら、運営者自身は保管の業を営んでいないと整理できる余地があります。運営者が飼い主と契約し、シッターに業務を委託する形(自社提供型)なら、運営者が保管の業者として登録し、シッターとの関係は業務委託の論点になります。

運営の形と、登録・責任の関係
項目媒介型(場の提供)自社提供型(運営者が受注)
飼い主が契約する相手シッター運営者
登録が必要な人シッター本人運営者(シッターの扱いは自治体の運用を確認)
世話の不具合の責任シッターが負う。運営者は自らの義務(審査・情報管理・システム)の範囲運営者が負う
シッターとの関係場の利用契約業務委託契約(フリーランス法の対象になり得る)

規約では、①媒介型か自社提供型か(両方あるなら特則で分ける)、②シッターの登録の有無を審査で確認し、登録番号・有効期間・動物取扱責任者・識別章の着用を登録の条件にすること、③登録の有効期間の更新を確認する仕組み(失効したら掲載を止める)を決めます。

シッターのプロフィールページは「広告」になり得る

管理の基準は、第一種動物取扱業の広告に、氏名又は名称、事業所の名称と所在地、種別、登録番号、登録の年月日と有効期間の末日、動物取扱責任者の氏名を載せることを求めています。マッチングサイトのシッターのプロフィールページは、そのシッターの広告に当たる可能性が高いと考えられます。運営者の規約や掲載の基準で、プロフィールに登録の内容を表示する欄を必須にし、表示されない場合は掲載しない、とするのが安全です。

飼い主に向けて「掲載しているシッターは第一種動物取扱業の登録を受けている」と表示するなら、確認の方法と頻度を規約に書きます。確認していない事項を保証するような表示は、事故のときに運営者の責任を問われる材料になります。

事故のときの運営者の立場

媒介型では、動物の死傷・脱走・鍵の紛失の賠償責任を負うのは、原則としてシッターです。運営者は、シッターと飼い主の間の契約の当事者ではありません。ただし、登録の審査の手落ち(登録のないシッターや保険に入っていないシッターを掲載した)や、運営者が知っていた危険な情報(咬み癖・逃げ癖)を伝えなかった場合には、運営者自身の責任が問題になり得ます。

飼い主向けの規約で運営者の免責を広く書いても、運営者と飼い主の間にも消費者契約が成立している以上、消費者契約法8条・10条が及びます。「運営者は当事者ではないので、シッターの世話の責任は負わない」ことと、「運営者自身の義務違反の責任」とを分けて書くと、両方の主張が通りやすくなります。

シッターの登録の条件にする事項(例)
  • 登録第一種動物取扱業(保管)の登録を受けていること。登録番号・有効期間・動物取扱責任者をプロフィールに表示する
  • 本人確認写真付きの身分証明書による確認
  • 保険対人・対物の賠償責任保険と、預かった動物の死傷の賠償責任保険に加入していること。証券の写しを提出し、年に1回確認する
  • 識別章訪問時に識別章を着用すること
  • 鍵の扱い運営者が提供する鍵の授受の様式を使うこと。郵便受けへの投函による返却をしないこと
  • 更新登録や保険が失効したら直ちに知らせること。失効したら掲載を止める

保険の要件は、実際に加入できる商品で確かめてから金額を決めます。預かった動物の死傷について高額の補償を出す商品は少ないのが現実です。

シッターとの関係にも注意する

媒介型でも、運営者がシッターの料金・提供の方法・服装・報告の様式を細かく決め、評価によって表示の順位や報酬を左右すると、運営者とシッターの関係が雇用や業務委託と評価される方向に働き得ます。遂行の方法を指示するのではなく結果を指定する、評価を報酬に連動させない、誰が数えても同じになる数字に連動させる、という業務委託の考え方が参考になります(スタッフとの業務委託契約書)。運営者がシッターに業務を委託する自社提供型なら、フリーランス法の取引条件の明示・支払期日・禁止行為・ハラスメントの体制・中途解除の予告がそのまま及びます。

サイトの外での直接取引

ペットシッターは定期利用が多く、2回目以降にサイトの外での直接取引に移りやすい仕事です。飼い主向けとシッター向けの両方の規約に、サイトの外での直接取引の禁止を置くのが通常です。違約金を置く場合、飼い主向けは消費者契約法10条・民法90条、シッター向けは民法420条・90条の枠組みで水準を検討し、「直接取引がなければ得られた手数料」に対応する額にすると、実際の損害との関係を説明しやすくなります。シッターが運営者と関係なく獲得したもともとの顧客は、禁止の範囲から外します。

鍵の授受をシッターと飼い主の間で直接行う場合は、授受の記録、郵便受けへの返却の禁止、紛失時の費用の負担を、シッターと飼い主の契約のひな形として運営者が提供する方法があります(鍵と留守宅)。ひな形の内容(キャンセル料・事故の扱い)が消費者契約法に適合しているかは、運営者の信用に直結するので、規約と同じ水準で点検しておきます。

ご相談の場面から:マッチングのご相談

マッチングサイトに登録するシッターにも、第一種動物取扱業の登録が必要ですか?

飼い主と直接契約して自ら世話を行う以上、シッター本人の登録が必要と考えるのが自然です。運営者は、登録の確認の方法と、プロフィールへの登録内容の表示を規約で定めます。運営者自身の登録の要否は、サービスの仕組みを示して所管の窓口に確認します。

シッターの料金を運営者が一律に決めたいのですが。

料金や提供の方法を運営者が一律に決めると、シッターの独立性が弱まり、運営者自身がサービスの提供者と見られる方向に働きます。シッターが料金を決められる幅を設けるか、運営者が受注して責任を負う自社提供型に組み替えるかを検討します。

運営の形を見分ける問い

「うちは場を提供しているだけ」と考えていても、実際の運営が自社提供型に近いことがあります。運営の形は、規約の名前ではなく、誰が何を決め、誰がお金を受け取るかで見分けます。

媒介型か、自社提供型かを見分ける問い

飼い主が申し込む相手は誰ですか?シッターを選んで申し込むなら媒介型に近い。運営者に申し込み、運営者が担当を割り当てるなら自社提供型に近い
料金を決めるのは誰ですか?シッターが決めるなら媒介型に近い。運営者が一律に決めるなら自社提供型に近い
料金を受け取るのは誰ですか?運営者が受け取る場合でも、シッターに代わって受け取る(収納の代行)のか、自らの売上として受け取るのかで分かれる
事故のときの窓口は誰ですか?飼い主とシッターが直接話し合い、運営者は仲介にとどまるなら媒介型に近い。運営者が賠償の窓口になるなら自社提供型に近い

答えが混ざる場合は、規約で「媒介型の部分」と「自社提供型の部分」を特則で分けます。登録が必要な人も、責任を負う人も、この答えで変わります。

飼い主向けの規約では、運営者自身が負う義務を具体的に書いておくと、「運営者は当事者ではない」という説明に説得力が出ます。たとえば、シッターの登録の内容と保険の加入を登録の審査で確認すること、確認の頻度、飼い主から届いた咬み癖・持病などの安全の情報をシッターに確実に伝える仕組み、鍵の授受の様式の提供、サイトの不具合への対応です。義務を書いた範囲で責任を負い、書いていない世話の内容はシッターの責任、という線が引きやすくなります(賠償と保険)。

シッターを募集するときの表示

自社提供型の運営者や、業務委託のスタッフを募集する事業者は、募集の広告の表示にも注意します。従業員を使用する事業者や、役員が2人以上いる法人(特定業務委託事業者)が、広告などで業務委託の相手方を募集するときは、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、情報を正確かつ最新の内容に保たなければなりません(フリーランス法12条)。ペットシッターの募集で特に気をつけたいのは、報酬の水準、業務の内容(お泊りの有無、扱う動物の種類)、そして「第一種動物取扱業の登録が必要かどうか」の表示です。「資格不要・すぐに始められる」と書きながら、実際には本人の登録と保険の加入を委託の条件にしている、という食い違いは、応募者とのトラブルの原因になります。登録の要否を自治体に確認したうえで(第一種動物取扱業の登録)、募集の段階から条件を正確に示します。

よくあるご質問

ペットシッターのマッチングサイトの運営者に、登録は必要ですか?

運営者が動物を扱わず場を提供するだけなら、運営者は保管の業を営んでいないと整理できる余地があります。運営者が飼い主と契約してシッターに委託する形なら、運営者の登録が必要です。サービスの仕組みを示して所管の窓口に確認します。

登録しているシッターにも、第一種動物取扱業の登録が必要ですか?

飼い主と直接契約して自ら世話を行うシッターは、本人の登録が必要と考えるのが自然です。運営者は、登録の確認と、プロフィールへの登録内容の表示を登録の条件にします。

シッターが事故を起こしたら、運営者は責任を負いますか?

媒介型なら、原則として責任を負うのはシッターです。ただし、登録審査の手落ちや危険な情報を伝えなかった場合には、運営者自身の責任が問題になり得ます。飼い主向けの規約の免責も、消費者契約法の制約を受けます。

プロフィールページに登録番号を載せる必要がありますか?

管理の基準は広告に登録の内容を載せることを求めており、プロフィールページは広告に当たる可能性が高いといえます。登録の内容を表示する欄を必須にするのが安全です。

サイトの外での直接取引を防ぐには?

飼い主向けとシッター向けの両方の規約に直接取引の禁止を置き、違約金を置くなら手数料に対応する額にします。シッターのもともとの顧客は禁止の範囲から外します。

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